設備更新と遮熱、どちらを優先するべき?
こんにちは!楽塗です!
工場や倉庫の運営において、近年ますます重要になっているのが省エネ対策です。
電気料金の上昇や働く環境への配慮、さらにはSDGsへの取り組みなど、経営課題としてエネルギー対策を考える企業も増えてきました。
その中でよく聞かれるのが、
「設備更新を優先した方がいいのか?」
「まずは遮熱対策を行うべきなのか?」
という疑問です。
どちらも省エネやコスト削減につながる可能性がありますが、投資には予算が必要です。すべてを同時に進められるケースばかりではないため、何から着手するべきか悩む担当者様も少なくありません。
そこで今回は、「設備更新と遮熱、どちらを優先するべき?」というテーマを中心に、経営視点から考える省エネ投資について解説します。
■設備更新と遮熱は目的が違う■
まず知っておきたいのは、設備更新と遮熱は似ているようで役割が異なるということです。
設備更新は、
・空調設備の入れ替え
・照明のLED化
・生産設備の更新
・制御システムの改善
など、設備そのものの性能向上を目的としています。
一方の遮熱は、
・屋根から入る熱を抑える
・建物内部の温度上昇を緩和する
・空調負荷を軽減する
といった建物環境の改善が目的です。
つまり、
設備更新=機械を効率化する投資
遮熱=建物環境を改善する投資
という考え方ができます。
どちらが優れているという話ではなく、解決したい課題によって優先順位が変わるのです。

■まず考えるべきは「何に困っているか」■
省エネ投資を考える際、多くの企業が設備の性能や補助金情報から調べ始めます。
しかし、本来は
「何に困っているのか」
を整理することが先です。
例えば、
□電気代が大きな課題の場合□
設備の老朽化が進んでいるのであれば、設備更新の効果が期待できるかもしれません。
空調や生産設備の効率が落ちている場合は、更新によって消費電力の改善が見込める可能性があります。
□夏場の作業環境が課題の場合□
工場や倉庫では屋根からの熱の影響が大きいケースがあります。
空調を強くしても暑さが改善しない場合、
「冷やす能力」
ではなく
「熱が入り続けていること」
が原因になっている可能性もあります。
このような場合は遮熱対策が検討対象になります。
□採用や定着率が課題の場合□
近年は職場環境そのものが企業選びの要素になっています。
そのため、
・夏場の暑さ
・作業負担
・職場環境
を改善する取り組みが重要視されるようになっています。
こうした観点では遮熱対策も経営投資の一つと考えることができます。

■ROIだけで判断すると見落としが起きる■
投資判断でよく使われる考え方がROIです。
投資額に対してどれくらい効果が見込めるかという考え方ですが、工場の省エネ投資ではROIだけで判断すると見落としが起こることがあります。
なぜなら、省エネ対策には数字として見えやすい効果と見えにくい効果があるからです。
例えば、
□見えやすい効果□
・電気代削減
・燃料費削減
・メンテナンス費削減
□見えにくい効果□
・作業環境改善
・従業員満足度向上
・採用力向上
・離職リスク低減
・SDGs活動の推進
こうした要素は金額換算が難しいため、単純な回収年数だけでは評価しづらい部分があります。
経営視点で考える場合は、
「コスト削減」
だけでなく、
「企業価値向上」
も含めて考えることが重要です。

■設備更新を優先した方が良いケース■
では、どのような場合に設備更新を優先するべきなのでしょうか。
□老朽化が進んでいる□
設備に故障リスクがある場合は更新が優先されることがあります。
突然の停止は生産計画にも影響するためです。
□メンテナンス費用が増えている□
修理頻度が増えている場合、維持コストが積み重なっている可能性があります。
長期的に見ると更新の方が合理的になるケースもあります。
□生産効率そのものが課題□
設備能力がボトルネックになっている場合は、生産性向上を優先する判断も考えられます。
□エネルギー効率が大きく低下している□
設備の性能差が大きい場合は更新による効果が期待されることがあります。
□遮熱を優先した方が良いケース□
一方で、遮熱が優先されるケースもあります。
□夏場の室温上昇が大きい□
工場や倉庫は屋根面積が大きく、直射日光の影響を受けやすい傾向があります。
空調を増強しても改善しない場合は、まず熱の侵入を抑える考え方が必要になることがあります。
□空調負荷が高い□
冷房設備が常にフル稼働している場合、
「冷やす」
よりも
「熱を入れない」
方が効率的な場合があります。
□建物自体はまだ使用できる□
設備更新ほど大きな工事を必要としないケースもあるため、比較的取り組みやすい場合があります。
□働く環境を改善したい□
暑さによる負担軽減は、安全面や労働環境の改善にもつながる可能性があります。

■実は「設備更新か遮熱か」の二択ではない■
ここで重要なのが、
設備更新か遮熱か
という二択で考えないことです。
多くの工場や倉庫では、
遮熱で熱負荷を減らし、
その上で設備を最適化する
という考え方もあります。
例えば、
熱が大量に侵入している建物で空調設備だけ更新しても、期待した効果につながらない場合があります。
逆に、遮熱だけ行っても設備の老朽化が進んでいれば十分な改善につながらないこともあります。
つまり、
建物
設備
運用
をセットで考えることが重要なのです。

■SDGsの観点からも注目される遮熱対策■
近年はSDGsへの取り組みを重視する企業も増えています。
その中で省エネ対策は重要なテーマの一つです。
工場や倉庫の遮熱対策は、
・エネルギー使用量の抑制
・労働環境改善
・脱炭素への取り組み
などにつながる可能性があります。
もちろん企業によって目的は異なりますが、
「省エネ対策を進めています」
という姿勢を社内外へ示す取り組みとして検討されることもあります。

■経営者が考えるべき本当の投資判断■
設備更新と遮熱を比較するとき、
どちらが安いか
どちらが効果が高いか
だけで判断したくなります。
しかし本当に重要なのは、
「自社の課題を解決できるか」
です。
例えば、
・電気代を抑えたい
・職場環境を改善したい
・採用力を高めたい
・SDGsを推進したい
・設備負荷を軽減したい
など、企業によって目的は異なります。
目的が違えば優先順位も変わります。
だからこそ、投資判断は製品比較ではなく課題整理から始めることが重要です。

■将来を見据えた省エネ投資という考え方■
工場や倉庫は長期間使用する建物です。
そのため、目先のコストだけでなく、
数年先
さらにその先
を見据えた判断が求められます。
設備更新も遮熱も、それぞれに役割があります。
短期的な効果だけを見るのではなく、
・維持管理
・働く環境
・エネルギーコスト
・企業価値
まで含めて考えることで、より納得感のある投資判断につながるでしょう。

■まとめ|設備更新と遮熱、優先順位は課題によって変わる■
「設備更新と遮熱、どちらを優先するべき?」
という問いに対して、一つの正解を示すことは難しいかもしれません。
なぜなら、工場や倉庫ごとに抱えている課題が異なるからです。
設備の老朽化が課題なら設備更新。
夏場の暑さや空調負荷が課題なら遮熱。
場合によっては両方を組み合わせる考え方もあります。
大切なのは、投資額だけで比較するのではなく、自社が何を改善したいのかを整理することです。
その上で、中長期的な視点から最適な選択肢を検討していくことが、省エネ投資を成功へ近づけるポイントと言えるでしょう。
工場や倉庫の暑さ対策や遮熱について検討されている方は、実際の施工事例や改善事例を参考にしてみるのも一つの方法です。
株式会社楽塗では、工場・倉庫向けの遮熱対策に関するご相談や現地調査のご相談も承っています。まずは現在の建物状況を確認しながら、設備更新と遮熱のどちらが適しているのかを整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。
また、詳しい施工事例については7月の事例記事もあわせてご覧ください。お問い合わせもお気軽にご利用ください。

